「本みりん」カテゴリーアーカイブ
本みりんの調理効果とは?~「鶏の照り焼き」のレシピ~
本みりんには、料理をおいしく美しく仕上げるためのさまざまな調理効果があります。
今回は、本みりんの調理効果についてご紹介します。
伝統的な製法で造られた“本みりん”は、単なる甘い調味料ではありません。
その違いは「味」だけでなく、「香」「艶」「色」「形」にまで表れます。
本みりんの9つの調理効果
① あまみ
砂糖などでは得られない「上品な甘味」。奥深い甘みが特長です。
② てりつや
料理においしそうな「てり・つや」を付けます。
③ うまみ
もち米由来のアミノ酸やペプチドにより、「コクのある旨味」が出ます。
④ いろ
糖とアミノ酸が加熱されることで、きれいな焼き色に仕上がります。
⑤ かたち
アルコールと糖のはたらきにより、煮くずれを防ぎ、おいしさを逃しません。
⑥ においけし
アルコールが臭みを取り除きます。よい香りによるマスキング効果もあります。
⑦ かおり
加熱により香ばしい香りが生まれ、食欲をそそります。
⑧ あいしょう
みそ・しょうゆ・酢などの発酵調味料のかどを和らげ、お互いの良さを引き出します。
⑨ あじ
アルコールによってみりんの甘味や他の調味料の味が染み込みやすくなります。
みりんの調理効果が活きる「鶏の照り焼き」
みりんの「てり・つや・旨味・香り」が最もよく引き立つ代表的な料理が「鶏の照り焼き」。
本みりんを使うことで、つやのある美しいてりと、奥深い味わいに仕上がります。

レシピはこちら
https://kokonoe.co.jp/recipe/recipe01/recipe01-17
本みりんを用いる意義
本みりんは単なる甘味料ではなく、和食を支える基礎調味料です。
砂糖やみりん風調味料では再現できない、自然なてり・深い旨味・調和のとれた味わいをもたらします。本みりんの理解と使いこなしは、調理のうえで重要な要素といえるでしょう。
三河みりんとは?~愛知県三河で受け継がれる伝統の味~
「三河みりんって何ですか?」
そんなご質問をいただくことが増えています。
今回は、三河みりんについて、その特徴や歴史をご紹介します。
三河みりんとは|伝統製法で造られる本格みりん
正式な地理的表示(GI)登録はされていませんが、一般的に
「三河地方で造られた、伝統的な製法の本みりん」を「三河みりん」と呼びます。
使用する原材料は、もち米・米こうじ・しょうちゅうのみ。
醸造アルコールや糖類を一切使わず、伝統的な製法でじっくり糖化・熟成させたものだけが、「三河みりん」と呼ばれています。
三河地方がみりん造りに適している理由
三河地方(愛知県中南部)は、温暖な気候と矢作川の豊かな水に恵まれた地域。
古くから米どころとしても知られ、良質な原料米と清らかな水が揃うこの土地は、みりん醸造に理想的な環境でした。
さらに、水運の拠点としても発展していたため、原料の運搬や販売ルートにも恵まれ、みりん産業が発展していきました。

三河みりんのはじまり|九重味淋の創業者・石川八郎右衛門信敦
三河みりんの歴史は、安永元年(1772年)にさかのぼります。
当時、三河國大濱村(現在の愛知県碧南市)で廻船問屋を営んでいた石川八郎右衛門信敦(のぶあつ)が、三河でみりん造りを始めました。
彼こそが、九重味淋の創始者です。
全国から集めた情報をもとに、信敦は三河がみりん醸造に最適と確信。
碧南の地で仕込みを行い、自らの船で江戸へ運びました。

江戸で当時繁盛していた鰻屋や蕎麦屋がこの本みりんにいち早く注目し、いつしか「三河みりん」と呼ばれるようになったと伝えられています。
「灘の酒と三河のみりんは一文高く売れる」
とまで言われるほど、品質の高さが評価されていました。
現在も受け継がれる伝統の技
全国的には効率重視の近代的な製法が進む中、三河地方には今もなお、
もち米・米こうじ・しょうちゅうのみで仕込む、昔ながらの製法を守る蔵が残っています。
九重味淋もそのひとつ。
創業以来250年以上、三河みりん発祥の蔵元として、
時間と手間を惜しまず、伝統の味を守り続けています。

・九重味淋の歴史・こだわり製法をもっと詳しく →
https://kokonoe.co.jp/meet01
・本みりん九重櫻とは →
https://www.kokonoe-shop.com/c/product/kokonoesakura





