「三河みりんって何ですか?」
そんなご質問をいただくことが増えています。
今回は、三河みりんについて、その特徴や歴史をご紹介します。
三河みりんとは|伝統製法で造られる本格みりん
正式な地理的表示(GI)登録はされていませんが、一般的に
「三河地方で造られた、伝統的な製法の本みりん」を「三河みりん」と呼びます。
使用する原材料は、もち米・米こうじ・しょうちゅうのみ。
醸造アルコールや糖類を一切使わず、伝統的な製法でじっくり糖化・熟成させたものだけが、「三河みりん」と呼ばれています。
三河地方がみりん造りに適している理由
三河地方(愛知県中南部)は、温暖な気候と矢作川の豊かな水に恵まれた地域。
古くから米どころとしても知られ、良質な原料米と清らかな水が揃うこの土地は、みりん醸造に理想的な環境でした。
さらに、水運の拠点としても発展していたため、原料の運搬や販売ルートにも恵まれ、みりん産業が発展していきました。

三河みりんのはじまり|九重味淋の創業者・石川八郎右衛門信敦
三河みりんの歴史は、安永元年(1772年)にさかのぼります。
当時、三河國大濱村(現在の愛知県碧南市)で廻船問屋を営んでいた石川八郎右衛門信敦(のぶあつ)が、三河でみりん造りを始めました。
彼こそが、九重味淋の創始者です。
全国から集めた情報をもとに、信敦は三河がみりん醸造に最適と確信。
碧南の地で仕込みを行い、自らの船で江戸へ運びました。

江戸で当時繁盛していた鰻屋や蕎麦屋がこの本みりんにいち早く注目し、いつしか「三河みりん」と呼ばれるようになったと伝えられています。
「灘の酒と三河のみりんは一文高く売れる」
とまで言われるほど、品質の高さが評価されていました。
現在も受け継がれる伝統の技
全国的には効率重視の近代的な製法が進む中、三河地方には今もなお、
もち米・米こうじ・しょうちゅうのみで仕込む、昔ながらの製法を守る蔵が残っています。
九重味淋もそのひとつ。
創業以来250年以上、三河みりん発祥の蔵元として、
時間と手間を惜しまず、伝統の味を守り続けています。

・九重味淋の歴史・こだわり製法をもっと詳しく →
https://kokonoe.co.jp/meet01
・本みりん九重櫻とは →
https://www.kokonoe-shop.com/c/product/kokonoesakura





