2006年7月発行「サライ増刊」
和洋中の料理のプロに愛用される大人の逸品として、本みりん九重櫻が紹介されました。
和洋中の料理のプロに愛用される国内最古の醸造蔵の本みりん
砂糖などでは得られない、まろやかな甘みをつくり、料理に美味しそうな照りや艶を与えるのが、本みりんである。
この日本科理に欠かせない調味料の起源には諸説ある。代表的なのは、明の時代の中国から「密淋(ミイリン)」なる酒として伝来したとする説。そして、古くから日本にあった「練酒」や「白酒」が発展したとする説のふたつだ。いずれにしても、本みりんは甘い酒から生まれた。
『九重味淋』は江戸時代中期にみりんづくりを始めた。みりんの名産地愛知県三河地方でいちばん初めにみりんをつくりはじめ、現存するみりん醸造蔵の中では、日本でいちばん古い歴史がある。その歴史を支えてきたのは、常に時代に合った商品をつくりつづけてきた企業努力である。
そんな同社が200年以上の時の流れの中で、つくりあげた最高傑作「九重櫻」は多くの一流料理人に愛されている本みりんだ。
「コク、まろみ、とろみのバランスがいい」と日本料理の料理人は絶賛したが、それだけではない。料理のジャンルを超え、現在はフレンチや中華の料理人にも受け入れられている。
二昼夜、細心の注意を傾けてつくられる米麹、60~90日も熟成されて仕立てられるもろみ。1年半ほど貯蔵タンクで熟成されるため独特の黄金色になる。
「九重櫻」は、熟練の職人たちが丹誠込めて仕上げた本みりんである。
(掲載記事を引用)