調味料のみりんとして扱われているものは、「本みりん」だけではありません。
ここでは「みりん」の種類と、その製法や原料の違いをご紹介します。
本みりん
もち米、米麹、焼酎が原料。蒸したもち米と米麹を合わせて焼酎を加えて仕込み、搾って、半年から1年間(場合によってはもっと長いものもあります)貯蔵熟成させたものです。 アルコール度数は14度前後。まろやかで深い甘みがあります。酒税法上では酒類として分類されます。
伝統的製法
原料に上質なもち米を使用し、和釜で蒸煮。仕込み後のみりんもろみを長期糖化熟成する伝統的な製法です。 みりん本来の製法で、乙類焼酎(米焼酎)を用います。醸造・熟成期間は工業的製法に比べ、比較的長くかかります。
工業的製法
加圧蒸煮や高温液化などの処理を施して、短期間ででんぷんやたんぱくの利用率を上げる、戦後から行われるようになった工業的な製法。 乙類焼酎ではなく、ホワイトリカーなどの甲類焼酎を用います。醸造・熟成期間は比較的短く、40日から60日ほどです。
発酵調味料(加塩みりん)
うるち米を麹で糖化し、酵母によって醸酵させて、糖類やアルコールと合わせたもの。みりんと合わせたものもあります。塩を加えて調整してあるため、酒税の課税対象である酒類にはなりません。
みりん風調味料
戦後になってからできた調味料で、本みりんとは原料が異なり、ブドウ糖や水あめなどの糖類、グルタミン酸、香料を混ぜ合わせたもの。アルコール度数は1%未満です。 本みりんが酒類として13~14%のアルコールを含むのに対して、アルコール度数が1%未満の「みりん風調味料」は、酒税の対象になりません。製造コストがそれほどかからず廉価でできるので、本みりんよりも低価格で流通しています。