- 1593年 文禄二年 『駒井日記』
- 本みりんの名称が記載された初の文献。「三位法印様(三好常館)蜜淋酎御酒御進上成られるへきの由、御諚の為申上」
- 1605年 慶長十年 『輝資卿記』
- このころから「美醂酒」・「蜜醂酒」・「蜜淋酒」など、様々な文字で表現されるようになる。
- 1614年 慶長十九年 『鹿苑日録』
- 現代で最も使われている「味醂」の文字が記載。
- 1661年 寛永二年 『太閤記』
- 来訪したキリスト教宣教師たちが、布教活動の際、「みりんちゅう」を日本人にふるまったとの記述。しかし、実際は本みりんではなく、リキュールだったとの説が有力。
- 1695年 元禄八年 『本朝食鑑』
- 本みりんの製法が記載。その味覚についても、「惟以酒味甘美如蜜而為珍爾(密のように甘いお酒で珍しい)」と表される。
- 1713年 正徳三年 『和漢三才図会』
- 本みりんの製法と共に、「按美淋酎近事多造之其味甚甘而下戸人及婦女子喜飲之」と表され、下戸や婦人に好まれて飲まれていた。
- 1738年 元文三年
- 石川家(九重味淋)古文書に「みりん」の記載。
- 1772年 安永元年
- 石川家(九重味淋)がみりんの製造を開始「石川家(九重味淋三河みりん」として江戸へ出荷。
- 1795年 寛政七年
- 石川家古文書(九重味淋)に「味淋」の記載。
年代別みりん成分
西暦 | 麹 歩合(%) | 焼酎 歩合(%) | エキス | 特徴 | |
---|---|---|---|---|---|
『本朝食鑑』 | 1695年 | 40.0 | 2400.0 | 1.2 | ほのかに甘い焼酎 |
『和漢三才図会』 | 1713年 | 40.0 | 240.0 | 11.8 | 甘い焼酎 |
『万金産業袋』 | 1801年 | 16.7 | 120.0 | 23.6 | 麹の使用量を少なくして飲みやすくしたタイプ |
江戸末期~明治 | 1860年 | 30.0 | 120.0 | 23.6 | 甘味飲料 本直しタイプ |
昭和初期 | 1930年 | 21.4 | 74.3 | 38.2 | エキスが少ないが味淋タイプ |
戦後~現在 | 1960年 | 13.7 | 61.0 | 46.5 |
※現在のようなタイプの本みりんになったのは戦後であり、その後20年ほどの間に急速に一般家庭に普及し始めました。